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【2021年3月19日】卒業証書・学位記授与式が挙行されました

みなさん、共栄大学ご卒業、誠におめでとうございます。

本来ならば卒業生の皆さんの晴れの姿をともにお祝いするため、ご家族の皆様にご列席頂くところです。大変残念ながら、周りを見回して頂いてもご家族の皆様はいらっしゃいません。コロナの感染拡大をなんとしても防ぐ、緊急事態宣言が再延長されている状況です。皆さんにもここにお入りになるときに、発熱していないか、体調に変化はないか確認をさせて頂きました。また座席の間隔も空けてお座り頂いています。絶対にコロナにかからないために密を回避するとの観点から、ご家族の皆様にはご列席をお控え頂きますようお願いいたしました。大変申し訳ありません。

今はまだコロナの脅威にさらされている真只中におります。皆さんの学生生活最後の年,前期はオンライン授業を中心に行われました。そして後期もオンラインと一部の対面授業を組み合わせて行うという、いつもとは違う形態で授業を行いました。友達ともなかなか逢うことが出来ないという、大変辛い時期を過ごさなければならなかったわけです。コロナは人々の繋がりを分断し、仲間との触れ合いも奪いました。皆さんにとっては大変厳しい学生生活最後の1年になってしまいましたが、一生懸命勉強に励み、指導教員の教えを積み重ねて修得された学問、友人、教職員たちと共に過ごした中で得た貴重な想い出の数々は、何一つ色褪せることはありません。人生の宝物として皆さんの心に深く刻みこまれています。どうか大学生活で得た宝物を、これからの人生を生きる大きな糧として大事に抱き続けて頂きたいと思います。

共栄大学には3つの教育理念があります。本学に入学以来、度々耳にしてこられたことと思います。一つ目は、社会に出た時にすぐに役立つ「社会学力」、そして何事にも至高の誠実さをもってあたる「至誠の精神」、3つ目は気高く、品格のある行動をする「気品の模範」です。共栄大学の教職員は、「社会学力」「至誠の精神」「気品の模範」の3つの教育理念を体現する学生を育成することを共栄大学存立の価値観と捉え、日々皆さんと接してきました。即ち皆さんは卒業に必要な単位を修得したことに加え、共栄大学の教育理念、「社会学力」「至誠の精神」「気品の模範」を体現することが出来ると認められて、本日、ここに卒業となったわけです。「教育理念を体現することが出来る」ということは、これからの皆さんにとって大変大きな自信になります。混沌とする世の中に出た時、どんなに苦しい出来事に遭遇したとしても、この自信が皆さんを力づけ、苦難を乗り越えさせてくれます。コロナ後の世界はどうなるのか、誰しもが経済の行く末、社会の未来に大きな不安を抱いております。加えて気候変動問題、大気汚染、不安だらけの世の中ではありますが、教育理念を体現することが出来るという自信と信念をしっかりと持ち続ければ、混沌とする未来を恐れる必要は全くありません。

確かにコロナでは貴重な人命が失われ、多くの企業が倒産するという悲劇的な社会情勢になりました。その一方、コロナによっていままで気が付かなかった一面を見つけることが出来たのも事実です。オンライン授業など含むIT技術の進歩は、コロナによって一気に前に進んだように思います。「必要は発明の母」という言葉があります。苦しみながら、その苦しみを乗り越えるために知恵を働かす、こういう人が真に強い人間だと言えるのではないでしょうか。何か辛い場面に遭遇した時、ともに知恵を出し合い乗り越えていきましょう。「知恵を出し合って解決策を探る」これを「進歩」と人は呼ぶのです。

ついこの間、テレビを見ていて素晴らしいなと思ったことがあります。沖縄の高校生たちが卒業式で声を出して校歌を唄うことが出来ないと解った時、みんなで知恵を出し合って考えたことが紹介されていました。卒業式だし、みんなで集う最後だし、なんとしても校歌を唄いたい、だけど声を出すことは禁じられている。ならばどうするかということで、卒業式を迎える少し前からみんなで努力をして、全員で手話を使って校歌を唄ったという話でした。コロナで声を出して唄えないという状況が生み出した「手話を使う」という方法は、苦しい状況であっても知恵を出せば解決出来るということを示しています。

今年は東日本大震災から10年という節目の年です。あの不幸な出来事も今まで普通に存在していた生活が一気に奪われる出来事でした。10年前の震災も、今のコロナも普段の生活を一変させる不幸な出来事です。即ち、人生においては何が起きるかわからない、混沌とした世の中を生き抜く力をつけておかなければならないということです。そんな時代を生き抜くために皆さんにお願いしたいことは、人と人の繋がりを大切にすることです。コロナによって人との距離をとらなければいけない、ハグもだめ、握手も控えてという時であるからこそ、いろいろな形で相手を思いやる心を伝える工夫をして頂きたいと思います。

手話もその一つですが、IT技術を使ったりしてでも自分の心を表現すること、相手の心を読み取り、心を寄せることが求められています。心を寄せて共感すること、その共感がお互いの心に響き合って輪が広がれば、どんな時でも人々は繋がることが出来ます。

式辞の終わりに、江戸時代の儒学者である佐藤一斉という学者の言葉を皆さんに贈ります。「一灯を提げて暗夜を行く 暗夜を憂うることなから ただ一灯を頼め」

これは暗い夜道を歩いて行くことは恐ろしい。気が滅入る。だけど心配することはない。手元にあるたったひとつの灯りを頼りに進めば大丈夫ということです。その意味するところは混沌とする世の中を生きていくのは恐ろしい。気がかりなことも多い、だけど自分の信念をもって揺るぎない心で進めばなんの心配もいらないと言うことです。共栄大学を卒業したこと、そして教育理念を体現することが出来るという大きな自信と信念を胸に刻み、混沌とする世の中の荒波に力強く漕ぎ出していってください。改めてみなさんの共栄大学ご卒業をお祝いいたしまして私の式辞といたします。皆さん!ご卒業おめでとうございます。

2021年3月19日

共栄大学 学長 加藤彰

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