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学長ブログ

卒業生の皆さんへ「学長メッセージ」

共栄大学・共栄学園短期大学の卒業生諸君へ

 3月11日に発生致しました「東北・関東大震災」により、交通機関や電力にかかる窮状、余震が続いている等、諸般の状況に鑑み、共栄大学ならびに共栄学園短期大学は卒業式・学位記授与式をやむなく中止することとなりました。このような決定をせざるを得なかったことは、卒業生諸君やそのご家族の気持ちを考えるとき、誠に忍びなく、たいへん残念であります。卒業生諸君やご家族におかれましては、卒業式・学位授与式をたいへん楽しみにされていたことと思いますが、なにとぞご理解いただきますよう、お願いする次第です。
卒業生諸君やご家族の皆様に、式典にかわり、少なくとも学長としてのメッセージだけでもお届けしたいと考え、ご挨拶申し上げたいと思います。

 まず、このたびの「東北・関東大震災」で被災されましたすべての方々にお見舞いを申し上げます。共栄大学ならびに共栄学園短期大学は、「東北・関東大震災」で被災されましたすべての方々に対しまして、最大限の支援につとめ、復興への協力を行っていきたいと思います。このことをふまえ、多くの高校生や本学に通う学生諸君が今回の震災を理由として、教育の機会を奪われ、夢や希望が失われることがないよう、最大限の支援を実施していく所存です。

 共栄大学ならびに共栄学園短期大学の卒業生の皆様、卒業、誠におめでとうございます。四年ないし二年の諸君の研鑽に対し、敬意を表すると共に、心からお祝いを申し上げたいと思います。
 また、今日まで諸君の成長を見守ってこられた、ご家族に対しましても、心からのお喜びを申し上げたいと思います。こうして卒業を迎えられた諸君の周囲には、諸君を見守ってくれた数多くの人々がいるわけであります。特に、ご両親は諸君の成長を楽しみに今日まで暖かく見守ってこられたわけであります。私は諸君がご両親に対しまして心から感謝しなければならないと考えております。ご両親をはじめ、ご支援いただいた方々への感謝の心を忘れないでほしいと思います。

 卒業生諸君は、卒業を機会に、本学の学窓を飛び立ち、実社会または大学院に進むわけであります。本学は、昭和8年8月8日、8が三つ並ぶ記念日でありますけれども、1933年の8月8日に、創立者であります初代理事長の岡野弘先生が学校法人共栄学園の前身を創始されたことに始まる私立大学であります。本学を他の大学と区別するものは何かといえば、それは岡野弘先生という創立者のもつ理想の心、それを土台として我々の先輩達が70有余年の長きに亘って、営々と築いてくれた共栄学園独特の気風であり、その気風の中で諸君らが学生生活を送ったということであります。この気風こそ、共栄学園の生命ともいうべきものでありましょう。

 この気風の第一は、「至誠の精神」であります。至高の誠実さという意味であり、共栄学園が産声を上げた1933年は太平洋戦争へと向かう暗い世相の時代であり、人々の心もすさんだ時代でありました。岡野弘先生はそのような時代の転換点で、そのような厳しい世相を見据えて、日本人らしい「誠を尽くす心」、常に誠実に生きる気高い人生の大切さを私たちに今も説いてくれているわけであります。そのような誠実の心を持った上で新しい時代に果敢に挑戦していく人材を世に送り出したいと考え、それを本学に期待されたわけであります。現在は太平洋戦争の混乱期とは時代は異なりますけれども、時代の転換点であるという意味では同じでありましょう。本学の気風はいかに困難な時代であっても、至高の誠実さを忘れず、常に至誠の精神をもって、物事に対峙していく姿勢であります。この岡野先生の精神をぜひ忘れないでいただきたいと思います。
 
 本学の気風の第二として、「社会学力・実学の精神」であります。「教育の誠の生命は実践にあり。社会で生き抜く実践力を身につけよ。」といわれて、社会で通用する学力である社会学力を重視してきたわけであります。社会とは答えがひとつではない世界であります。諸君らは当たり前ではありますが、過去を生きる人ではなく、未来を生きる方々であります。諸君が生きる未来という世界は私が考えますに、現在よりもより複雑で不透明で、しかも地球規模的に流動的な世界でありましょう。過去の経験にはなかったような新しい事象や問題が次々と起こってくる難しい時代でもありましょう。こういった難しい時代に諸君は立ち向かって生き抜いていかなければならないわけであります。その時に必要な力は岡野先生が言われた実践力、社会学力であります。社会学力とは答えを自ら調べ、自らが深く考え、他人の意見を理解した上で、自分の考えを表現していく、人に訴えていく力であります。ペーパーテストのような紙に向かって解答する力ではなく、人に向かって表現していく力であります。この社会学力の重要性を説いた岡野先生の教育姿勢は、これからの時代を生きていかなければならない諸君に対する励ましであり、これからの時代に積極果敢に挑戦していく姿勢をぜひ本学の第二の気風として、心にとどめて頑張っていただきたいと思います。

 私の教員としての原点は、第一期生を送り出したゼミナールの送別会において、一期生の卒業生に「諸君達の社会での活躍が本学の評価そのものになる、だから、ぜひとも共栄大学の誇りとなるよう、また後輩達から目標とされるような先輩達にぜひともなってほしい」と別れの挨拶を行いました。すると、第一期生の一人から、「我々も頑張るが、先生も共栄大学が自分たちの誇りとなるような大学、またそうあり続けられるような大学にぜひしてほしい」と言われたことであります。私はその時、「共栄大学を君達の誇りとなるような大学にするために一生懸命、頑張る」ということをお誓い申し上げました。

 最後に、毎年、ゼミ生のみに行っている挨拶を本年度は卒業生全員に送りたいと思います。卒業生諸君が実りある幸せな人生を送ることを心から祈ります。辛いことや厳しいことが多いと思いますけれども、ぜひとも共栄大学と共栄学園短期大学の誇りとなるような人生を歩んでいただきたいと思います。さらには諸君につづく後輩達から目標とされるような先輩達にぜひともなってほしいと思います。ここに教職員を代表致しまして、諸君らが何年かたって、母校である共栄大学、共栄学園短期大学を振り返る時、諸君から誇りとされるような共栄大学、共栄学園短期大学に必ずしてみせる、ということをあらためてお誓い申し上げまして、私から諸君への式辞と致します。