2023.05.08
国際経営学部の北島信哉専任講師が、4月22日(土)に行われた第2回共栄大学オープンキャンパスにおいて来校した高校生たちに模擬授業を行いました。北島専任講師は、国際経営学部のスポーツ・健康ビジネスコースの教員(先生)で、授業の題名は「サッカーワールドカップからスポーツビジネスの未来を考える」でした。
授業の最初に北島先生は、前回のサッカーワールドカップは、日本代表がヨーロッパ代表チームを次々と破ることによって大いに盛り上がり、またWBCの日本の優勝においても同様の現象が生じたと説明されました。
日本のサッカーのレベルの向上について、サッカーのプロ化の影響を指摘されました。例えば、日本サッカー協会の予算は、サッカーがプロ化になる前の1990年は16億円から、プロ化が定着している2016年には338億円にまで増加しています。一方でサッカーをはじめとするスポーツがプロ化されることにより、スポーツを観戦するのに一般の人々は一定のお金を支払うことになります。そうなりますと結果的にはスポーツを観ることができない環境の人々が存在してくるそうです。また昨今の多様な有料放送、ソーシャルメディアでスポーツ観戦をする機会が増え、一般のテレビで観戦する機会が減少すれば、「(テレビを見ながら)偶然スポーツに出会うこと」が少なくなると北島先生は懸念しております。このことは将来的には、スポーツの普及や発展にも影響しかねないそうです。
さらに北島先生は「スポーツビジネスにはスポーツ文化を守り発展させていく使命がある」と主張されます。例えば、サッカー日本代表のサポーターの中には、試合終了後にスタジアムのごみを拾い、きれいに掃除をしてスタジアムを出るという、素晴らしい文化があると言います。試合観戦する人々が増えれば、そのような文化が促進される期待も増えます。一方、観客の増加がその多様化を生み、対戦チームやサポーターに対して、望ましくない影響を及ぼす点があることにも注意すべきであると北島先生はおっしゃっています。またスポーツの商業化により、従来守り続けてきた競技規則(ルールというスポーツ文化)を変更しようとする動きに対して、スポーツ文化とビジネスの発展の両面から考える必要性を北島先生は指摘します。
スポーツがプロ化されることにより国中が盛り上がり、それは社会的にも経済的にも良い影響が期待されます。それを持続するためにも北島先生はおっしゃった様々な課題を解決していかなければならないと高校生たちは実感してくれたようでした。
次回の第3回共栄大学オープンキャンパスは5月28日(日)です。皆さん、是非ご参加ください。