2023.06.14
社会科教育(橋本)ゼミでは、6月7日(水)に東京都教育委員会指導教諭の土方大輔先生にお越しいただき、学級経営についての特別講義をいただきました。
土方先生は23年間東京都公立小学校で勤務された実践経験と大学院で学ばれた理論研究の両面から私たちが教育現場に立って直面するであろう課題に対して4点に絞ってお話しをしてくださいました。
まず、10箇条にわたる初任者の心得を一般の書籍を基に体験を交えてお話しくださいました。例えば「子どもと仲良くなる必要はない」というお話に私(この原稿を書いている学生)は驚きを隠せませんでした。ある学生は子供の気をひくために教育実習の時にアニメグッズを用いたり共通の話題を話したりしていたそうです。土方先生は「共通の話題などで子どもと仲良くなることも悪くはないよ」としながらも、教師であるということを忘れて子どもに媚びるような態度では子ども達からも保護者からも信頼を失うことを教えてくださいました。また、反対に教師という立場への尊敬を、自身の力だと勘違いして自分が偉くなったとように錯覚することの危険性も教えてくださいました。教師はどこまでも子どもの幸せのために慈愛と威厳と謙虚さをもって指導することが大切だと感じました。
次に、学級開きをテーマにお話をしてくださいました。なかでも実際に体験した学級開きのネタ「ひらがな表で素敵ワンGP」では、社会科ゼミ全員で楽しく行うことができました。また、「被せましょうゲーム」では、学級全体が一致団結して行えるゲームで感動しました。ゲームの締めの際に、「素敵な言葉が溢れるクラスになるといいね!」や「これからも言葉を大切にして素敵なクラスを作っていこうね!」などという言葉で終わると子ども達がこれから始まる新しいクラスに希望が持てるよい学級開きになると教えてくださいました。私はただゲームを行うだけではなく、なぜそのゲームを行うのかをしっかりと考えて実行していきたいと思いました。
そして、土方先生のご専門である国語の授業についてもご紹介いただきました。学級開きに使える授業のネタを語る中にも土方先生の人生観や授業観がにじみ出ていました。例えば土方先生は、「自分が変わることはできても人を変えるのは不可能。(人が)変わるには自分で決意する必要があるため、『子どもが自ら変わりたい!』と思わせることが大切」だとおっしゃっていました。また、「できない」と言って諦めてしまいそうな子どもにも、教師は「できる」と信じて時には励まし、時には見守り、子どもが伸びるための具体的な方略を準備するのが教師の役目だとおっしゃっていました。そこにはどこまでも子供の可能性を信じて待つ姿勢を感じました。
最後に、不登校対応についても事例を伺い学生みんなで解決策を考えました。指導・講評にもありましたが、不登校については、担任だけで抱えるのではなく、学校の問題として捉えて、子どもに寄り添い、その子に合った最適な方法を考えることが一番大切であると改めて感じました。
最後に土方先生がさりげなくおっしゃっていた「子どもが幸せならばそれでいい」という言葉に私はとても共感しました。私も子どもたちの幸せを一番に考えられる教員になりたいと思います。今回の学びを通して、改めて学級経営の重要性を強く感じるとともに、自分が教員となった際には、今回のお話を忘れずに生かしていきます。夢の実現に向けて、社会科教育ゼミはこれからも学び続けていきます。