【国際経営学部】小林ゼミ生がSDGsに取り組む企業「株式会社サナ」を訪問

2023.07.13

国際経営学部

 小林ゼミでは開発途上国の貧困問題や開発協力そしてSDGsについて学んでいます。去る7月6日の午後に同ゼミ生がSDGsに取り組む「株式会社サナ」(埼玉県所沢市)を訪問しました。

 株式会社サナは、「自然の循環を強力に守る」を企業理念にかかげ、排水処理、悪臭対策、浄化槽管理、畜産分野の環境改善等に取り組まれています。畜産分野では、HZ-PROと呼ばれる、家畜の腸内環境を整える栄養補足用混合飼料を開発し、日本国内で過去45年間の販売実績を積み上げてこられました。この製品は豚の健康や生育を促すだけでなく、養豚で生じる排泄物の適正管理と堆肥としての転用を可能とし、廃棄物の削減や悪臭対策など環境改善に貢献しています。

秋山社長から同社開発の消臭液について説明を受けるゼミ生

 同社の秋山代表取締役社長から、「日本における豚肉の消費の半分は輸入に頼っています。他方で当社が今回JICA(国際協力機構)から支援を受け、今後海外進出を検討しているベトナムにおいては、今後大量の豚肉の消費が見込まれるのです。」と、ベトナムの状況について力強く説明が行われました。現地を調査された秋山社長によると、ベトナムの農村部においては豚の排泄物の処理が全く行われてない畜産農家も多いとのことで、それが河川の汚染や悪臭の発生につながっているとのことです。同社が開発したHZ-PROを将来ベトナムに普及することにより、ベトナムの環境改善を図れるとともに同社の販路拡大も見いだせるとのことでした。

 講義の後、同社が開発された製品の効果について実際に体験をさせていただきました。悪臭を放つ水溶液に同社が開発した消臭液を数滴加えると、悪臭が瞬時にすっきりとした匂いに変化することを皆で体験させていただきました。特に悪臭がバナナの香りに変化することを体験したときには、参加した学生からも驚きの声があがりました。その後、研究室を見学させていただきました。

研究室の内容について説明を受けるゼミ生

 参加した学生からは、ベトナムでは新しいものを受け入れる素地があるかどうか、養豚だけでなく牛の生育にも使用できるか、等の質問が出され、高い関心が示されました。

 今回の企業訪問では、日本の企業が持つ技術力と経験、そして経営者と社員の熱意が、現在急成長を遂げるベトナムやその他の開発途上国の課題を解決へと導くこと、そしてそれによりSDGsに貢献することができることについて、肌で感じ、学ぶことができました。

 秋山社長様を始め株式会社サナの社員の皆様、そしてJICA関係者の皆様に今回このような機会を頂きましたことに心より感謝を申し上げます。

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