【教育学部】初等教科教育法(社会)の時間に「戦争体験を聞く会」を開催!

2024.11.18

教育学部

 社会科教育ゼミは、2年生の初等教育教科法(社会)の授業において、第二次世界大戦においてシベリア抑留を体験した篠原吉宗(しのはらよしむね)様(95歳)をzoomにてお招きし、戦争体験を聞く会を開催致しました。

 篠原様は第二次世界大戦中、軍国主義一色の日本で兵隊へのあこがれを抱き、15歳で 特攻隊の訓練兵として土浦海軍航空隊に入隊しました。そして人吉海軍航空隊(熊本県)での訓練を経て当時日本の基地があった北朝鮮の元山海軍航空隊に入隊し、1945年8月零戦の整備中に終戦を迎えます。しかし、終戦後はすぐに帰国はできず、ソ連軍の侵攻を受けてモスクワの国際捕虜収容所に移され、線路補修や木材運搬等強制労働に従事し、1948年10月に収容所を退所し、19歳でようやく帰国を迎えました。

 篠原様は当初、戦後シベリア抑留については語らずに過ごしていたそうです。しかし、将来を担う世年に自分の経験したことを少しでも知ってもらい、「戦争は二度と起こしてはならない」ということを未来に繋いで欲しいという願いのもと語り部となってくださったそうです。今回も当初はお住まいのある水戸市から本学(春日部市)が遠いことから健康面を考えて一度は辞退しましたが、私たちのことを思い、また、水戸市文化交流課のご協力も得られることからお引き受けくださいました。篠原様の兵隊になる前の夢は、先生になる事だったそうで、戦争体験を聞く会を終了した後に、学生さんの前で先生になったような体験を行うことが出来て、自分の夢がまたひとつ叶ったと、長生きしていて良かったと喜びのお言葉を頂きこの授業を開催することができてよかったと改めて感じました。

 我々の世代は祖父母の時代に戦争が行われた「第三世代」と呼ばれています。そして、われわれが教壇に立つときの児童は曾祖父が戦争体験者である「第四世代」となります。高齢の方にはご長寿でいただきいつまでも平和について発信していっていただきたいですが限界もあります。私達は直接体験を聞いた責任ある世代(戦争体験の継承者)として次代に平和の心をつないでいきます。また、世界情勢を学び日本の戦争体験の継承のみならず世界の平和に貢献できる人材に成長してまいります。最後にこの授業を行うにあたりご講演いただいた篠原吉宗様を始め、会場提供や通信環境の整備等様々にご尽力いただきました水戸市文化交流課の皆様、社会科教育ゼミの仲間たちへ紙面を借りて感謝申し上げます。

【参加した学生の感想】
 講義を受ける前からどんな理由があっても戦争はしてはいけないという考えを持っていました。それは、講義を受けた後も変わっていません。篠原さんが経験されたことは今の生活からは想像もつかないことだと思いますし、辛い思いや大変といった言葉では表すことができないと思います。テレビや教科書でしか戦争のことを学んだことはなかったので実際の様子などはあまりイメージ できていなかったのですが、今回の講義を通して、戦争がいかに人々を苦しめていたのかよくわかりました。また、当時の様子なども詳しくお話してくださったのでとても貴重な経験になりました。

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