2025.07.03
2025年6月13日(金)に教育学部社会科教育ゼミの授業において、認定NPO法人ASOVIVA代表理事の長村知愛先生を講師に迎え、オンラインで特別講義を実施しました。
◎講師紹介
「ASOVIVA 代表理事:長村 知愛(おさむら ちあ)先生」
2003年生まれ、大阪府出身。11歳で学校に行かない選択をし、母とともに居場所づくり活動を始める。16歳の春にNPO法人ASOVIVAを設立し、代表理事に就任。現在は大阪の河南町にて、築100年の古民家を使って不登校の子供たちが社会的な自立へと向かうためのスクール、デモクラティックスクールASOVIVA!を運営している。
この特別講義では、長村先生自身の経験やASOVIVAでの実践をもとに不登校支援や子どもとの関わり、教育のあり方などについてお話ししていただきました。なにより私たちと同じ年齢でNPO法人を運営されていることに驚かされました。「みんなが行きたくなる学校とは」をテーマにディスカッションしましたが、学校教育の問題点や子供の居場所、学ぶとは何か?起業する苦労は?など話題は多岐に及びました。特に印象的だった下記2点をご紹介いたします。
【承認の言葉がけ】
褒めると相手はどのように感じているでしょうか?私たちは無意識にほめることもあれば意識してほめることもあります。また、「100点取って偉いね!」と結果をほめているときもあれば、「〇〇をがんばっているね!」と過程をほめていることもあります。褒められてうれしい時、がんばろうという気持ちがわいているかもしれません。でも、もしかしたら、ほめられることがプレッシャーになっていることもあるかもしれません。長村さんはほめる以上に「承認」する大切さを教えてくださいました。不登校になって気持ちがつらい時など、褒められる行為はそうでない時の否定を強めることにもなります。そんなときは「会えてうれしい」「話せてうれしい。ありがとう」と存在自体を承認することが子供たちの居場所づくりの一歩かもしれないと思いました。
【やってみたいを実現】
ASVIVAでは「デモクラティックスクール」注1という名の通りの可能な限り子供たちが自分たちの活動計画を立て、実際に取り組みます。例えば釣り船にみんなで乗りたいとの計画を立て予算を検討し小学生が実際に釣り船に交渉します。授業では実際に電話する様子を動画で見せていただきました。失敗することも成功することもあるそうですが、どちらも学びとして大切にしているそうです。
【講義に参加した学生の感想】
・お話しの中では、子供たちが自分たちでお金を稼いだり、遠足先に電話をして人数や行き先を決めるなど自分の事は自分達で決めている様子が小学校では学べない形で生きる力を学んでいてすごく印象的でした。
・学校で学ぶことが当たり前ではないと感じました。学校という学びの場が合わない子どももいて、でも学校は行かなければいけない場所だと思い苦しんでいる子もいるということを知りました。
・子どもたちの感情を受け止めて安心をプレゼントできる教員になれるように頑張りたいです。
・「自分がどうしたいか」を軸に物事を考え、それを周囲と共有しながら自由に学んでいく ASOVIVAのスタイルは、今までの”当たり前”とは全く異なり、驚きと同時に大きな魅力を感じました。
・子どもたちの多様なニーズに応えられるような教員を目指して、自分自身の視野をさらに広げていきたいと思います。
注1デモクラティックスクール/サドベリースクールとは、「本来人間には自ら学ぶ力がそなわっている」という理念のもと自分のことは自分で決められる「自由」と、学校全体のことはみんなで話し合って決める「自治」の二つを柱にもっているスクールとされています。