【教育学部】18歳成人時代の小学校法教育―ICT教育×社会科教育

2022.07.11

教育学部


6月27日(月)、29日(水)に初等社会の講義で伊藤大河 国際経営学部准教授(ICT教育)と橋本隆生 教育学部講師(社会科教育)が、共同で『18歳成人時代に対応した小学校法教育の在り方を考える』というテーマで授業を行いました。



この授業は、法教育で指摘されている

1.知識中心の授業が多く小学生には理解しにくい
2.模擬裁判は小学生には楽しいが内容にリアリティがない
3.18歳成人となり早い段階から法の知識だけで資質・能力を育成する教育が必要である

という課題をICTを活用して効果的に解決できるのではないか、という仮説にたった授業です。



授業は、2組に分かれた学生に対してNHK番組『昔話法廷』の3匹の子豚裁判の動画を見せ、この裁判は有罪であるか無罪であるかを学生に考えさせた後、1回目の判決を行います。その後、グループ内でさらに議論を重ね、再度2回目の判決を行うという流れで行われました。



橋本先生は、学生を小学生役にした模擬授業を行い、18歳成人時代における小学校法教育の在り方を考えさせ、伊藤先生はグループワークや判決をMicrosoft社のOfficeソフトを活用して行うため、学生たちに授業を実施するにあたってのシステム的なアドバイスをしました。



1回目の判決結果は1組と2組で異なりましたが、2回目では1組は最初の判決と結果が逆転し、2組は結果は変わらなかったものの、個別で判決結果が変わった人がいました。
このことからも、裁判の流れを可視化し議論したことで考えが深まったことが感じられ、授業を受けた学生からも、ICTと議論の構造の組み合わせの効果については「とても」と「だいたい」を合わせると、ほぼ全員が効果的であったとしています。



以下、講義を受講した学生の感想です。

・「法教育が難しいというのは今日の授業で十分わかりました。どうしてもテレビを見せて終わり、教科書を読んで終わりの授業
 になってしまうのを防ぐにはICTをどのように活用するかにかかってくると思いました」
・「指導者となるうえで,子どもたちに知識ばかりを教授するのではなく、実際に体験させ、自らが考え行動することを学ばせる
 ことを忘れず,今回の活動をこれからの活動に活かしていきたいと考えました」
・ 「私たちの身近にある昔話を用いることで,裁判員制度をリアルに感じることができました」



本研究は共栄大学共同研究費の研究助成を受けて行っています。

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