【平成29年度】 卒業証書・学位記授与式が挙行されました

2018.03.23

イベント

3月23日(金)に共栄大学第14回卒業証書・学位記授与式が春日部市民文化会館で挙行されました。
これからの門出に相応しい厳かな式となりました。

加藤学長式辞

みなさん、共栄大学ご卒業、誠におめでとうございます。

ご家族のみなさま、ご子息、ご令嬢の大学卒業、誠におめでとうございます。

心からお祝い申し上げます。

今年の卒業式は国際経営学部、教育学部、教育学専攻科を併せ281名の卒業生を社会へと送り出すことになります。
毎年のことではありますが、このように立派になった卒業生を社会へ送り出すことは、私ども教職員にとりまして大きな誇りであり、喜びとするところでございます。

卒業生のみなさんは、本学入学以来、幾度となく耳にしてきたことと思います。共栄大学は「至誠の心、至高の誠実さを一生涯貫く、至誠一貫」を建学の礎とする共栄学園が設立した大学です。そして大学には3つの教育理念があります。即ち、「社会学力」(教育の誠の生命は実践にあり。社会を生き抜く実践力を身につけよ)「至誠の精神」(自らを律する強き心、至高の誠実さをもって全ての事にあたれ)「気品の模範」(気品の模範として行動せよ。紳士淑女たれ)の3つを大学の教育理念として掲げております。

私ども教職員は学生の皆さんを指導するにあたって、「共栄大学の教育理念を体現する学生を育成する」ということを全教職員が共有する価値観と捉えて、日々皆さんと接しております。即ちみなさんは、共栄大学において卒業に必要な単位を修得され、本学のディプロマポリシーを満たすとともに、共栄大学の教育理念、「社会学力」「至誠の精神」「気品の模範」を体現することが出来ると認められて本日、卒業ということになったものです。3つの教育理念を体現する事が出来るということは、みなさんが社会人としてこれから活躍する上で極めて大事なことばかりです。この大事な理念をしっかりと身に付け、体現することが出来るということは大いなる強みと捉え、自信をもって堂々と社会の荒波に漕ぎ出して頂きたいと思います。

みなさんが大学を卒業して漕ぎ出す社会は、これまでのパラダイム、即ちこれまで一般に考えられていた枠組みで推し量ることの出来ない社会になることが想定されます。具体的には人生設計の枠組みにおいて変化が起きるということです。みなさんの生きる時代は「人生100年の時代」と言われています。これはイギリスのリンダ・グラットン教授がその著書「ライフシフト」の中で指摘したことです。即ち、日本では2007年に生まれた子供については107歳まで生きる確率が50%もあるとして、政府もまた「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、人々が健康で過ごす健康寿命を100歳前後と想定したライフサイクルを検討しています。

これまでは日本人の平均寿命を80歳として、「教育を受ける」「仕事をする」「引退をして余生を過ごす」という3つのステージが人の一生のライフサイクルとして考えられてきました。この大枠にはそれほどの変化はないかもしれませんが、それぞれのステージの中身がかなり変わってくることが想定されます。

「人生100年の時代」になりますと、仕事をして引退をする年齢というのは70歳くらいになるかもしれません。70歳で引退をしたとしてもあと30年、まだまだ元気に活躍をする時間があるわけです。そうなるとどの時代においても学び続ける姿勢を持つことが大事になってきます。いわゆるリカレント教育、生涯学習を続けることによって、どのステージにいても自分を輝かすことが出来るということです。みなさんも大学を卒業したからと言って「学びが終わった」と言うことにはなりません。これから始まる皆さんの次のステージ、「仕事をする」と言うステージおいて、学ぶことによってその仕事の専門性をより高め、他との差別化を図ることが出来ます。また皆さんの時代にはAI、即ち人工知能が更に進化し、仕事を進める上で共存する場面が必ずやってきます。そうなればみなさんは学ぶことによって如何に効率良くAIを使いこなすかが勝負の分かれ目となるかもしれません。即ち、これから先の皆さんの人生において、「学ぶ」という事はどのステージでも求められる大切な力であり、「学び」への取り組み方次第で皆さんの人生がより実りあるものになるかどうか、大きく変わってくることは間違いありません。

江戸時代の儒学者に佐藤一斉という人がいます。彼の名前はあまり聞いたことがないという人もいるかもしれません。ただ、彼の書いた言志四録と言う本に残した数々の言葉は、吉田松陰をはじめその後の近代日本を作り上げた人々に影響を与え、幕末の精神的指導者と言われる人です。その佐藤一斉先生がこう言っています。

「少にして学べば壮にして為すことあり。壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず。」

「少にして学べば壮にして為すことあり。」(若くして学べば大人になって世のため、人のために役立つ人間になる)

「壮にして学べば老いて衰えず」(壮年になって学べば気力が衰えることはない。いつまでも生き生きとしていられる)

「老いて学べば死して朽ちず」(年を取って学べば益々見識も高くなり、社会に役立つことになる。死んでからもその名は残る)

と言っています。佐藤一斉先生のこの言葉は、人はいくつになっても学ぶことをやめるべきではない。いくつになっても学ぶことによって自分の人生が誰にも負けない充実したものになるということを表しています。

「人生100年の時代」を生き抜く皆さんは、どうぞこれからも学び続け、より良く充実した人生を送るように努めてください。

人生のステージサイクルで、学歴を重ねて学ぶというみなさんの第一ステージは終わりかも知れません。即ち、社会が用意した学びの段階は終わるかもしれませんが、これからは自らの意思で自らのステージで必要な事柄を学ぶ姿勢が求められます。みなさんにとってこれからまだまだ残る70年、80年の人生において、これまでと違う多様な働き方の中でいろいろな学び方があるはずです。どうか皆さんはご自分に合った学びの方法を追求し、常に自らを高める努力を尽くして頂きたいと思います。その中でみなさんはお金には代えられない無形の資産を得ることが出来るはずです。さまざまな人との交流で培った経験、人的ネットワークなどが皆さんの人生を一層充実したものとしてくれます。

「壮にして学べば老いて衰えず」壮年になって学べばいつまでも活き活きとしていられる。「老いて学べば死して朽ちず」年を取って学べば益々見識も高くなり、社会に役立つことになる。まさにこれが至誠一貫、至高の誠実さを一生涯貫きながら社会を生き抜く社会学力を実践する共栄大学の教育理念を体現することになります。

卒業生のみなさんの明るい未来に大きなエールを送り、私の式辞といたします。

本日は誠におめでとうございます。

2018年3月23日 共栄大学 学長 加藤彰

卒業式終了後、春日部駅前にある「ふれあいキューブ」にて卒業パーティが盛大に開催されました。
教職員も多数参加し、華やかな雰囲気に包まれたパーティとなりました。

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