【学長メッセージ】 平成31年度入学式 学長式辞

2019.04.02

学長メッセージ

みなさん、共栄大学ご入学、おめでとうございます。ご家族の皆さま、お子様方の大学入学、誠におめでとうございます。
新入生のみなさまのご入学を心から歓迎いたします。

みなさんの多くは2000年、もしくは2001年にお生まれになった人たちです。

いわゆるミレニアムベイビーとして生を受け、これまでご家族のみなさま、学校の先生方、

ご友人等多くの人たちの愛情に包まれて、今日大学生になります。昨日、5月から始まる新しい元号、「令和」の発表がありました。ミレニアムで生まれ、新元号「令和」で大学生活をスタートさせるみなさんにとって、生涯の記憶に残る大学生活の始まりになるだろうと思います。

そんなみなさんに、入学のお祝いの言葉とともに大学生の間に是非心かげて頂きたい2つのことをお願いしておきます。

1番目は頭を柔らかくして「考える力」をつけて欲しいということです。これまでみなさんは大学受験を控え、決められた時間内に素早く1つの正解を導き出すいわゆる「試験学力」の向上に力を注ぐ時間が多かったと思います。この試験学力、もちろんこれからも必要な学力ですが、これからはこれに加えてみんなで議論し合って結論を導き出すこと、またいろいろと多岐にわたる着眼点から考察して答えを導き出すことも必要な学力になります。即ち、たった1つの正解を暗記して答えを素早く用意するのではなく、いろいろなアプローチで考え抜き、またいろいろな答えを比較して問われたことに対して最も適切だと思う答えを導き出すことも求められる力のひとつになります。答えはその時の着眼点によって異なってくるでしょう。また社会状況、その人の置かれた立場などによって違う場合もあります。頭に入れた知識を知識として暗記するだけで終わらせるのではなく、知識に知恵を組み合わせて自分の考えをしっかり作ってください。他の人の意見をしっかり聞いて、それに対する自分の考えをまとめる。そして自分の考えを他の人に伝える、こんな力はみなさんが社会に出て、そこで生き抜くために必ず必要となる学力です。

こんな話があります。ある小学校の理科の授業での出来事です。

先生が生徒たちに質問をしました。「氷が溶けたらなにになりますか?」子供たちが一斉に答えます。「氷が溶けたら水になります!」なかには化学式の知識を持っている子供もいました。「H2O」なんて答えます。そんな中、教室の片隅の小さな女の子がそっと手を挙げました。「先生!氷が溶けたら、氷が溶けたら・・春になります」これは理科の試験学力だとしたら正解ではないでしょう。だけど他の着眼点から素直にその時の気持ちを表現したとしたら、これもまた正解の1つではないでしょうか。このように見方、あるいは立場を変えると答えが違ってくることもあります。物事には多面性があって、例え答えが異なっていてもお互いの相違点をしっかりと認識し、それを理解し合う事も大事になってきます。

2番目にお願いしたい事は、出来るだけ多くの人とかかわる、また社会とのかかわりを持つよう努力して欲しいという事です。人間はどんな人でもたった一人で生きていくことは出来ません。また誰からも干渉を受けず、自分の世界だけに居続けることは出来ません。家族を最小の単位として必ず他の人とのかかわりをもちながら生活をしています。この関係性から他の人への思いやりを持つようになり、気遣いが生まれてきます。最近ではインターネットの発達により、直接に人とかかわらなくてもある程度の状況把握、世の中の流れを知ることが出来るようになりました。ネットでゲームをやれば、特に人とのかかわりを持たずに時間を過ごす事が出来ます。でもそれは自分の頭の中に広がるバーチャルの世界でしかありません。みなさんには出来るだけ多くの人とかかわりをもって、対面して直接言葉を交わすことで人とのかかわり、社会とのかかわりを持つように努力して欲しいと思います。

それらと同時に社会の出来事に関心を持ち、ボランティア、あるいはインターンシップ、海外語学研修等、社会との関わりを持つプログラムに積極的に参加してください。みなさんが善良な市民として社会とどうかかわっていくかを体験する講義を、大学では数多く用意しています。大学生という立場で社会との接点を持つ事で、みなさんには多くの情報が入るようになり、良き市民として社会に参加することが出来るようになります。そうやって社会と関わっていく間にみなさんは将来、自分がどういう人になりたいか、どういう事をやりたいか、夢を抱きつつそれを次第に形にしていく過程に入っていきます。大学はそういうみなさんの夢を形にしていく場であり、我々教職員は一緒になって走り続けるパートナーです。共栄大学入学を機会に是非みなさんは夢を持ち、それを形作る作業を始めてください。先ずは夢を持つことです。

明治維新の精神的指導者と言われた吉田松陰はこんなことを言っています。「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。ゆえに夢なき者に成功なし」夢を描くことが出来なければ絶対に成功はないと言っているのです。みなさんも共栄大学で過ごす中で、大きな夢を描いてその夢を我々と一緒に形にしていきましょう。私たち教職員もみなさんに寄り添って今日から一緒に歩き始めます。

共栄大学のキャンパスで、笑顔で挨拶を交わしましょう。そして触れ合いを大事にしてともに成長していきましょう。

これからみなさんと過ごす共栄大学の学びと生活を楽しみにしています。

本日はご入学、誠におめでとうございます。

2019年4月2日 
共 栄 大 学
学長 加藤 彰

満開の桜【春日部市民文化会館】
共栄大学第19回入学式
岡野 貴樹 理事長による祝辞
お祝いの合唱【国際経営学部・教育学部 有志 指揮者 岩川みやび 教育学部専任講師】
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