【学長メッセージ】加藤学長からのメッセージ[最終号]

2021.03.21

学長メッセージ

「加藤学長の共栄最前線」という表題のもと、これまで多くのことを皆さんにお話しをさせて頂きました。この度学長の任期満了ということで、来る3月末日をもって共栄大学長の職を離れることになります。皆さんにお話しをさせて頂きますのは本号をもって最後となります。

想えば大変長い間、お話をお聞き頂き誠にありがとうございます。

今まで皆さんに語りかけてきた内容は、「共栄大学は小規模だからメリットが多い」と言う話が多かったように思います。即ち、「共栄大学は小さい大学だから、教職員と学生の距離が近い。学生同士の距離も近い。だから新しい環境が怖いとか、友人が出来るかどうかわからないという不安を抱くことは、共栄大学に限って全くない」ということをお伝えしてきました。パンデミックとして世界中に広がるコロナ禍の今、私は共栄大学の規模のメリットは確かにあると改めて確信しています。もちろん規模が大きく、大勢の学生がいる大学の素晴らしさを否定するものではありません。大規模であれば学部も多く、友人も多く出来ると思います。手厚いケアもあります。それに比べると共栄大学では、小さいなりに個と個が繋がるパーソナルケアが出来ると言うところが魅力ではないでしょうか。特にコロナ禍でのオンライン授業では、画面越しであっても人柄まで学生と先生がお互いに理解し合えるのは大きな利点です。特段の問題なくオンラインで学生の皆さんとしっかりと繋がることが出来たことは、まさに規模のメリットがもたらしてくれたことに違いありません。

コロナは人と人の繋がりを分断しました。友人との触れ合いも奪い取りました。対面講義が出来ず、緊急事態宣言下ではやむなくオンライン授業を実施せざるを得ませんでした。即ち、人と人の繋がりが希薄になり、お互いを思い遣る気持ちを伝えることが難しくなりました。特に新しく大学生活を始めた1年生のみなさんは相当苦しんだと思います。コロナによって人の繋がりが分断されたことは悔しくて仕方ありません。人の繋がりが希薄になった時だからこそ、皆さんに強くお願いしたいことがあります。あなたの日頃の思いやり、優しさを、家族、友人に何らかの形で伝えるよう工夫を凝らしてみてください。3月19日に行われた卒業式の式辞では、声を出して校歌を唄うことが出来ない沖縄の高校生たちが、知恵を出し合って手話で校歌を唄い、自分たちが愛する高等学校への熱い想いを伝えたという話に触れました。声を出せないなら手話で、距離を保たなければならないのならばオンラインでと、何らかの形であなたの心を表現することが必要です。お互いを理解し合い、人と人の繋がりを真に強くするには、想いを表現して伝えることが大事です。

家族の、友人たちの想いを受け留めたら、必ずその心に寄り添い、共感するようにしてください。想いを受け留めるだけでは駄目です。友人からの想いを受け留めたら、先ずは相手の心を読み取り、共感する心を相手に必ず返すことが大事です。何故ならばあなたが共感したことを相手に伝えると、相手は自分が認められたことを喜び、必ず第三者に同じように心を開いて表現するようになるからです。

「認められた」という喜びの大きさはあなたにもすぐにわかるはずです。何故ならば想いを伝えた相手から認められる喜びは自分の自信につながるからです。「表現してよかった。理解者がいてくれた」という喜びは大きいものです。SNSで何かを表現したとき、なかなか「いいね!」が付かない時、何故か不安な気持ちになったことはありませんか?みんなが「いいね!」を一杯つけてくれた時、意外と喜びは大きいものです。直接に会話するのではないSNSでも、共感しあえることを知って嬉しい気持ちになることは結構あるものです。

もちろん全てが全て共感出来るとは限りません。相手が何かを表現した時、全く共感出来ないこと、あるいは共感することが難しい場面も意外とあるものです。その時はもちろん共感する必要はありません。ただそんな時でも取りつく島もなく返すよりも、一旦相手の話を受け留めてから断るという方法を取るのはどうでしょうか?私はこの方法を「No Because~よりもYes But~で返そう」と学生たちに言っています。どういうことかというと、「ダメです。だって~だから」と返すよりも「いいですね~、だけど残念ながら~だから」と返した方が相手には柔らかく伝わるように思うのです。あるアイディアが出された時に、「ダメです。だってお金がかかるから」と返すよりも、「いいアイディアですね。でもお金がかかるのでちょっと難しいかも知れませんね」と一旦相手のアイディアを認識したことを伝えてから断った方が 同じ否定をするにも相手の受け止め方が変わってくると思いませんか?

コロナは世界の街でロックダウンを招き、人々の繋がりを断ち切りました。また東京オリンピックも海外からのお客様をお断りするというニュースが流れています。多くの人々が世界から日本にやってきて日本人との交流が深まることになれば、「日本大好き」と言う人々も増えて日本の価値向上に繋がります。大変残念ながらコロナ禍を治まりを見せず、これらを期待することは非常に難しいようです。しかしながら、ZoomあるいはTeamsで繋がるオンラインでの交流も、人間の知恵を組み合わせれば絶対に対面とそれほど変わらない交流を実現することが出来るはずです。「コロナですべてダメになった」と逃げるのではなく、みんなで知恵を出し合って交流する術を生み出しましょう。それには日頃から人を想いやること、優しさをもつことを心掛け、自分から積極的に(対面だけではなく)交流する機会を増やしましょう。そして相手の話を良く聴いて、共感する心を持ちましょう。コロナで人との距離をとることが求められている今こそ、人と繋がることの重要性を認識して積極的に関わるように努力しましょう。それがニューノーマルと言われる時代を生きるみなさんが、いつも明るく、笑って過ごすことが出来る最高の手段だと私は確信しています。

新しい時代を生き生きと明るく、楽しく過ごす皆さんといつかまたどこかでお会い出来ることを楽しみにしています。

We will meet again someday,somewhere!

皆さん、お元気で! さようなら!

2021年 3月 23日
共 栄 大 学
学 長 加藤 彰

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