2021.07.08
2021年7月7日(水) 教育学部・橋本隆生専任講師が担当する社会科教育の専門ゼミにて、外部講師の大橋利行氏を招き戦争体験を語っていただきました。
戦争を体験した世代が少なくなっている中、大橋氏は何を思い、どう生きてきたのか、それは後世まで語り継がなければならない大切な話でした。編集された映像や本とは違い、ご自身の体験を中心に戦時中のくらしをはじめ、空襲の恐ろしさなど、今後教育を志す学生に対して貴重な”生きた体験”を経験する機会になりました。
[大橋 利行氏の略歴]
昭和9年3月大阪府生まれ(1934年)
国民学校在学中に大日本青少年団に選ばれ、軍国少年として戦争遂行に邁進する少年時代をおくる。学校において教師役の退役軍人から度々暴力を振るわれ親元を離れての集団疎開で苦しい生活を強いられるが、それを当然と思い少しも疑わず日本の戦争遂行と勝利を正義と信じていた。終戦後の日本の教育はGHQに気遣ってか音楽の授業はキリスト教の讃美歌に代わり、進駐軍を見つけてはお菓子をねだる周りの子どもたちを見ても自分はまだ軍国少年である誇りに生きていた。外語大学進学後も進駐軍の英語ではなく、同志として戦ったドイツ語を選択するなど、軍国少年時代の主義を貫いていた。しかし、徐々に「あの戦争はなんだったのか?」と様々に思いをめぐらすようになり、戦争と平和について深く考えるようになった。現代も決して何か結論が出たというわけではないが、あの時代を生きた1人として、戦争時代の語り部として後進に戦争体験を話している。