2025.01.31
2024年11月30日(土)、東部地域振興ふれあい拠点施設ふれあいキューブにて開催しました。「共栄シンポジウム」とは、本学キャリア教育の一大イベントであり、キャリア教育の位置づけを明確化した2017年から毎年実施しております。
両学部2・3年生を対象とした第1部では、アサヒロジ株式会社 常務取締役 高森 志文 氏をお迎えし、「サステナビリティの現状と企業の取り組み」をテーマに、講演およびパネルディスカッションを行いました。高森氏は、これまでアサヒグループジャパン株式会社 執行役員 サステナビリティ推進部長 兼 アサヒユウアス株式会社 代表取締役社長として、アサヒグループ全体のサステナビリティ推進の責任者を務められた方です。
まず高森氏からは、サステナビリティの現状を、アサヒグループの具体的な取り組みを交えてご講演いただきました。サステナビリティは全世界で取り組むべき喫緊の課題であり、既に本学においても授業で学んでいますが、実際に企業の先頭で取り組みを推進されている高森氏の話は臨場感に溢れ、理解を深める良い機会になりました。学生は環境ラベルのついた商品を探してくる、という事前課題に取り組んだうえで共栄シンポジウムに参加しました。環境ラベルとはその商品やサービスが環境負荷低減に役立つかを示すマークであり、消費者にとって環境に配慮した商品を購入する目印ともなっています。学生は環境保全の活動を身近に感じ、更に一人ひとりが環境を守るためにできる取り組みがあることを知る機会ともなりました。
続くパネルディスカッションでは、国際経営学部 林 雅子 教授がモデレーターを、そしてSDGsに掲げる開発課題について学ぶ代表学生3名がパネリストを務めました。代表学生は「環境問題に関する教育はどの段階から始めるべきか?」「持続可能な未来を実現するために、私たちがまず取り組むべき課題は何か?」などの質問を投げかけました。高森氏からは、「環境問題に関する教育は早ければ早いほど良い」「食べ残しをしない、過剰包装をしない等、小さなことから取り組めば良い」などの意見をいただき、一人ひとりの小さな行動が、循環型社会の構築に向けた大きな一歩となることを理解する貴重な時間となりました。
最後に、「情報を集める」「飛び込んでみる」「好奇心を持つ」という高森氏ご自身の仕事観についても披露していただきました。多岐にわたるキャリアを積まれて現在のポストに就かれている高森氏ならではの仕事観は、学生が今後の自身のキャリアを考える上で、とても示唆に富むものでした。
続いて両学部1年生を対象とした第2部では、NPO法人若者就職支援協会 創業者、黒沢社会保険労務士事務所 所長 黒沢 一樹 氏 をお招きし、「苦手を強みにネガポジ思考」をテーマに、講演およびワークショップを行いました。
黒沢氏は「ネガポジ先生」として知られるキャリア・コンサルタントでもあり、これまでの様々な経験をもとに自ら編み出した「ネガポジ・メソッド」をカウンセリングやキャリア教育に応用されています。黒沢氏のネガポジの定義とは、「ネガティブな事象からポジティブな事象を見つけるための思考法」「反対側や少数側から物事を考え、多面的な視点を持つための思考法」の2つです。
まず、黒沢氏から独自の「ネガポジ思考」についてレクチャーをいただきました。ネガティブワードをポジティブワードに置き換えるという「思考の柔軟化」が、短所から長所への置き換えや、新たな強みの発見に繋がるというものであり、今後、学生が自身のキャリアを考える上でも重要な思考法でした。
続いて、この「ネガポジ思考」を実践しながら、これまで関わりの少なかった学生達がワークショップを通して多様性を受容し合い、自己理解も深めるという取り組みを行いました。黒沢氏の「ネガポジ思考」は、1年生にとって、今後の学生生活にはもちろん、日常生活においても大切な視点であり、学部を超えて共通に学んでいくべきものです。そこで、共栄大学創設以来、初めての試みとなる「国際経営学部・教育学部合同のワークショップ」を取り入れました。更にチーム分けは意図的に「性別・体育会学生・留学生・幼稚園コース学生・小学校コース学生」等々が混じりあう、1チーム5名程度のほぼ初対面となる小グループとしました。ワークショップの内容は、事前課題として各学生が「自分のネガティブな側面」について考えておいたものを基に、グループ内で自己紹介をし、聞き手が「そのネガティブな側面をポジティブな表現に変換してあげる」という流れでした。今まで見えない大きな壁であったものを超えて、笑顔で相互理解を深めている学生の姿が印象深かったです。
本学では社会で通用する実践力を身につけ、社会の期待に応える人材育成に努めています。学生が将来社会で活躍するために、その視野と可能性を広げられるよう、業界の代表的な企業で経営や人事を担う人材を招き、企業戦略や将来の方向性、業界における様々な働き方、仕事の意義等をテーマにパネルディスカッション形式で実施してきたのが、この「共栄シンポジウム」です。
今後とも学生の視点を大切にしながら、共栄大学教職員一丸となって“学ぶ”と“働く”をつなぐキャリア教育の充実を図ってまいります。
ご参画くださいました登壇者の皆様、参加いただきました関係者の皆様、学生の皆様、ありがとうございました。