2026.02.25
2025年11月26日(木)、東部地域振興ふれあい拠点施設ふれあいキューブにて開催しました。「共栄シンポジウム」とは、本学キャリア教育の一大イベントです。
第1部は国際経営学部および教育学部2・3年生を対象に、「経営者が共に働きたいと感じる“価値を生む人材”とは」をテーマとして実施。前半は、アレックス株式会社 代表取締役社長兼CEO /Google日本法人 元 代表取締役社長 辻野 晃一郎氏を迎え講演を行いました。
辻野氏からはVUCAの時代(予測不能な時代)においては「環境変化に適応できないものは滅びる」こと、また「失敗を恐れずに挑戦する姿勢を失ってはならない」との説明がありました。さらに、辻野氏からは
・AIと共存共栄する時代であっても、人間が主でありAIは従であること
・AIに任せるべきことと任せてはいけないことがあること
・AIを疑い、批判的に吟味する姿勢が重要であること
など、AI時代を生きる学生に向けたアドバイスを頂きました。最後に、「AIによってあらゆる物事の再定義が進んでいること」「新たなチャンスが溢れていること」など、学生たちの明日につながる熱いメッセージが送られました。

アレックス株式会社 代表取締役社長兼CEO 辻野氏 講演の様子
続くパネルディスカッションでは、本学学長 平林信隆がモデレーターを務め、パネラーには辻野氏に加え、株式会社セキ薬品 取締役 店舗開発部部長 関 隼人氏、ラストマイルワークス株式会社 代表取締役社長 小林 雄氏、株式会社ネクスクール 代表取締役社長 山口 諒氏をお迎えしました。関氏は本学国際経営学部卒業生、山口氏は本学教育学部卒業生、小林氏は併設校である春日部共栄高校出身で、共に本学にゆかりのある若手経営者です。

第1部 パネルディスカッションの様子
平林からの「価値を生む人材とは」との問いかけに対し、辻野氏は「Googleの採用では、答えのない難解な問いに対して、常識や世の中の基準に沿ったようなありふれた回答は評価されず、その人独自の返答を見る」という事例を紹介し、「批判的思考(クリティカル・シンキング)」がイノベーションを生み出す下地になると説明しました。更に、今起きていることは偶然ではなく意味があること、目の前に来たチャンスに飛び込むとその先に新しい世界が広がることなど、学生へエールが送られました。
地域密着の総合ドラッグストアを展開する関氏からは、価値を生む人材として「コミュニケーション能力」を重視していると伺いました。お客様の要望に一つでも多く応えるには、「聴く耳を持つ」ことが重要であり、お客様に共感し、お客様と共有した情報から的確な商品を提供することで、満足度を高めることができると説明がありました。また、好奇心を忘れず学び続け成長してほしい、目標を見つけそこに向かっていく社会人生活は楽しいと、後輩へエールをいただきました。

株式会社セキ薬品 取締役 店舗開発部部長 関氏 登壇の様子
小林氏からは、学生時代に発展途上国を中心に世界を巡り、更に内閣府主催の世界青年の船で様々な国の人と関わった後、東日本大震災を経て価値観が大きく変わったことなど、カンボジア自分で考える人であり、小さなチャレンジを積み重ねることで、快適領域を抜け出し自分の頭で考え行動できるようになると、自身の経験を踏まえ語られました。

ラストマイルワークス株式会社 代表取締役社長 小林氏 登壇の様子
山口氏は、理想の教育の実現を目指し大学4年次に起業。障害児福祉事業を立ち上げ、現在は就労支援事業まで拡大しています。在学中は海外語学研修への参加、春日部市姉妹都市との国際交流活動、学内ベンチャー企業で副社長を経験。新しいことに触れ自分の力にする人が価値を生む人材であり、社会が急速に変化する中で、学び続ける姿勢を持ってほしいとのメッセージが送られました。

株式会社ネクスクール 代表取締役社長 山口氏 登壇の様子
続いて両学部1年生を対象とした第2部では、昨年に続き、NPO法人若者就職支援協会の創業者であり、黒沢社会保険労務士事務所の所長を務める黒沢 一樹氏をお招きし、「逆にアリ!?その“苦手”、光るチャンス!」をテーマに、講演およびワークショップを行いました。黒沢氏は「ネガポジ先生」として知られるキャリア・コンサルタントでもあり、これまでの様々な経験をもとに自ら編み出した「ネガポジ・メソッド」をカウンセリングやキャリア教育に応用しています。
黒沢氏はまず、独自の「ネガポジ思考」についてレクチャー。黒沢氏の「ネガポジ思考」の定義とは、ネガティブ思考とポジティブ思考を大事にしながら、「ネガティブな事象からポジティブな事象を見つけるための思考法」「反対側や少数側から物事を考え、多面的な視点を持つための思考法」の2つを指します。ネガティブワードをポジティブワードに置き換えるという「思考の柔軟化」が、短所から長所への置き換えや、新たな強みの発見に繋がるというものであり、今後、学生が自身のキャリアを考える上でも重要な思考法にもなります。

NPO法人若者就職支援協会 創業者 黒沢氏 講演の様子
続いてこの「ネガポジ思考」を実践するべく、昨年度に引き続き、「国際経営学部・教育学部合同のワークショップ」に取り組みました。性別やコース等が異なる学生をはじめ、体育会の学生、留学生等を交えて、意図的にほぼ初対面となるようにチーム分けを実施。これまで関わりの少なかった学生らが12名程度のチームに分かれ、ワークショップを通して自己理解や他者理解を深めていきました。
ワークショップでは、伝え手が成功体験だけでなく失敗体験などの共感ポイントを発信し、聞き手が応援メッセージを伝えるというルールのもと、ローテーションしながら相互に自己紹介を行いました。つまり、「自分のネガティブな側面」を相手に伝え、聞き手が「そのネガティブな側面をポジティブな表現に変換してあげる」という方法によって、「人間関係をつなぐ」という目的です。

第2部 ワークショップの様子
ワークショップ終了後も、Webコミュニケーションツール内でグループをつくり、今後も学生同士が相互にコミュニケーションを図れるようにしています。このワークショップを契機として学生同士の人間関係がさらに深まることを期待しています。
黒沢氏の「ネガポジ思考」は1年生にとって、今後の学生生活にはもちろん、日常生活においても大切な視点であり、学部を超えて共通に学んでいくべきものであるといえます。今まで見えない大きな壁であったものを超えて、笑顔で相互理解を深めている学生の姿が印象深かったです。
本学では社会で通用する実践力を身につけ、社会の期待に応える人材育成に努めています。学生が将来社会で活躍するために、その視野と可能性を広げられるよう、そして将来の自身のキャリアに対して早期から主体的に考える機会となることを目的に、共栄シンポジウムを開催してきました。
今後とも学生の視点を大切にしながら、共栄大学教職員一丸となって“学ぶ”と“働く”をつなぐキャリア教育の充実を図っていきます。
ご参画くださいました登壇者の皆様、参加いただきました関係者の皆様、学生の皆様、ありがとうございました。

第1部_集合写真(左前方より 本学理事長 岡野、辻野氏、左後方より 春日部共栄中学高等学校 伊藤、本学学長 平林、小林氏、関氏、山口氏、春日部共栄中学高等学校 校長 加藤)

第2部_集合写真(左より本学学長 平林、黒沢氏、本学副学長 濱本)